連合会の活動

広告審査会について

~ 第184回 広告審査会 ~

日時 日時 平成17年 4月25日(月)14:00~17:00
場所 日本大衆薬工業協会会議室
審査委員

(第三者委員)亀井昭宏、佐谷圭一、渡辺 稔、瀧澤晶子
(広告委員会委員)船橋 誠、長橋幹雄、室 直秀、西井良樹、木下俊也、
倉本 力、田口隆久、太田 昭(代)、佐藤武文(代)

幹事 高野 修(大正)、近藤 寛(救心)、前廣敬介(三共)
審査対象 テレビ広告    60件
新聞・雑誌広告  6件  合計66件
広告収集期間 平成17年1月20日~平成17年4月1日

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審査概評 
広告審査会委員  亀井 昭宏

第184回広告審査会では、つぎのとおりでした。
審査件数・・・ テレビ広告
新聞・雑誌広告
60件
6件
計 66件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 5件

話題・・・ 2件
  新聞・雑誌広告

注意・・・ 3件
  話題・・・ 1件
◇     ◇     ◇      ◇     ◇
 平成17年に入って、昨年に続いてのインフルエンザの流行と、スギ花粉の大増産年が重なって、一般薬の売れ行きが期待されたが、業界人の本音を聞けば、マスクをはじめとする風邪・花粉症グッズは品切れ状態が続いたが、本体のOTC医薬品は思ったほど伸びなかったということのようである。インフルエンザは検査薬の進歩と普及により、医療用医薬品志向が強くなり、花粉症にはPPAが抜けたOTC医薬品がユーザーの体験的な比較論で効き目が落ちたとの評価が一因とも考えられる。それに反して、この二つの要因で処方せんの枚数は今年に入って増加傾向にあり、医療費の増大は単に高齢化という要因でなくても伸び続けるという、保険財政にとってはますます苦しい未来予測になったようだ。

 そんな環境の中で第184回審査会を迎えたが、いくつかの広告に懸念事項があった。

1 トレーニングウエア懸念
 「一般用医薬品の広告の自粛申し合わせ」中の「スポーツ選手が、コマーシャル中で当該医薬品を手にするなどして紹介するような場面は、競技中のユニフォーム姿ではなく、普通のスーツ等一般的な服装で登場し、且つ、その背景には、競技場等そのスポーツを連想させるような場面は用いないこと。」とあるが、あるCMでは、ある有名な野球選手がユニフォーム姿でバットを振った後に、トレーニングウエア姿で登場し、「僕○○」と商品を紹介するが、この場合のトレーニングウエアは、上記で云う普通のスーツ等の等に入るか否や?と、トレーニングウエアが「スーツ等一般的な服装」に該当するかという議論となった。しかし、結果は、この自粛申し合わせの目的である「登場するスポーツ選手のすぐれた技能や体力が、これらの医薬品を使用することにより、発揮されたり、維持されるかのような誤認をあたえることのないよう十分な配慮が必要」という趣旨に反しているかどうかが検討され、今回は、申し合わせ事項違反ではないが、話題事項となった。

2 電車内での医薬品飲用場面と授与への懸念

 花粉症大流行の季節、アレルギー鼻炎のCMも真っ盛りだが、通勤電車の中である医薬品を飲むシーンと、この医薬品を乗客から乗客へ手渡ししたのではないかと疑われる場面があった。飲むシーンについては、「申し合わせ」では内服用医薬品を直接服用する場面を使用することは原則禁止しているものの、その医薬品の新しい剤型についての正しい使い方を消費者に対して提供しているものは認容されている。今回のケースは単に電車内で隣の乗客へ手渡ししたのではないかと疑われる場面(前後関係から推察される)であり、注意となった。

 薬事法24条1項では、「薬局開設者又は医薬品販売業者(医薬品の販売の許可を受けた者)でなければ、業として、医薬品を販売等{販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。)}してはならない。」とある。
 ここでいう業として解釈は微妙なところだが、当委員会では路上やバーなどの店内での医薬品の授与(前後関係からそれが推察される)シーンも広告上では慎むべきとしている。

3 商品名が医薬品と誤解される懸念
 養命酒に「薬用養命酒」と「養命酒」があり、「薬用」とついた方は、医薬品なのは有名だが、○○薬とついているものが、医薬部外品になったとは意外な事実だ。部外品とするならせめて「○○薬」という商品名の「薬」をはずすべきだと思うが、これが医薬品規制緩和の隠れた目玉商品と云われて驚いた。TVCM上でもこれが堂々とまかり通ってしまう。「○○薬は、コンビニ・スーパー・薬局・ドラッグストアなどでお求めになれます。」というナレーションを聞いていると、ほう、いつから薬が自由販売になったのと聞きたくなる。規制緩和としての医薬品コンビニ販売の是非は、別論議として、薬の字がついたまま、医薬部外品にするのも常識を疑いたくなる。このままだと、「薬」つきの医薬部外品が陸続と登場するやも知れぬ。懸念中の懸念である。

4 自社規格に対する懸念
 日本では他社誹謗は禁じられている。しかるが故に医薬品の製品比較をする時には自社の製品比較だと明示することとなっている。今回、懸念されたのは自社規格についてだった。「とろみ60倍」と謳った目薬のCMがあり、とろみの規格は何なのかと質すと、自社規格だという。確かに、自社の研究開発のために規格を設定しそれを基準として研究開発に邁進するのは良いことだが、それをそのまま60倍というCMに使うことに対しては理解できない。第三者委員の一人からも、効力が60倍ともとれるという発言があったことも頷ける。世はドライアイが注目され、目薬がより「潤い」を追求することは理解できるが、自社規格の倍数をCMに使うことがはびこったら、白髪三千丈の世界になりかねない。医薬品広告に疑念をもたれるのではないかと大懸念する。

5 水虫薬の治る治らぬ論争についての懸念
 水虫の治る薬ができればノーベル賞ものというフレーズは良く聴くが、本当にそうなのであろうか。試験管内では、従来の水虫薬でも真菌類はほとんど死滅しているのではないかと思える。したがって、毎年のごとく繰り返される「医療用とおなじもの」というキャッチフレーズが今年こそ積年の怨みを抱く水虫をやっつけようと聞こえて勇ましいが、実は、真菌には耐性ができないので再感染が防げないから、毎年水虫ができるのだとも云われている。再感染が防げないから水虫薬はシーズンになると良く売れるのだが、今年こそ治したいから薬を使うだけではなく、水虫の温床といわれる「高温・多湿・不清潔」を戒める「冷乾清」の三原則をCMに盛り込めないものだろうかと提案する。売るだけがCMではない。売らないCMもあっていいと思う。

 日本大衆薬工業協会が本年で設立20周年を迎えた。一頃盛んだったスイッチOTCの承認も停滞気味にみえる。おまけに、規制緩和の波状攻撃にあいOTC医薬品から部外品への移行も相次いだ。20周年も協会にとっては節目の歳となろう。広告の自粛も角をためて牛を殺すたとえにもなるが、一方、健康や軽医療に対して良い提案ができればユーザーの支持もとれる。高価で秒戦争の世界だが、思い切った転換も必要である。エリア外だが、ジェネリック医薬品のCMや受診勧告のCMなど、参考になろう。

審査結果 
テレビ広告
●鼻炎内服薬
指摘箇所:

〈画 面〉
医薬品の授受を想像させるシーン

見  解:

〈注 意〉
実際には医薬品の手渡しをしているわけではありませんが、電車内で乗り合わせた見ず知らずの人に商品を紹介し服用させるというストーリー展開は薬事法に抵触(医薬品の授与)する行為と見なされる恐れがあります。ご注意ください。

〔薬事法24条〕〔広告者の責務〕
●目薬
指摘箇所: 〈文字、画面、音声〉
それはとろみ60倍の1滴。
予想を超えた潤い感。
約60mPa・s
見  解: 〈注 意〉
一般生活者が理解できぬ単位・理屈を提示して○○倍であるといった表現は、効能効果が60倍であるかの誤解を招く恐れがあり、また情報として不十分ではないでしょうか?またドライアイに効くかのような誤認する恐れもあります。○○倍が事実であるとするとしても、また自社製品だとしても、比較の対照が水と同等の数値であるのはオーバーな表現ではないでしょうか?ご注意ください。
〔基準3(6),(1),(4)〕〔広告者の責務〕
指摘箇所: 〈文 字〉
スーパー保湿目薬
見  解: 〈注 意〉
スーパーは「強力」「強い」といった禁句と同義ではないでしょうか?また涙液の補助(目のかわき)という効能の言い換えとして「保湿」は不適切ではないでしょうか?ご注意ください。
〔基準3(6),(1)〕
●目薬
指摘箇所: 〈文 字〉
効き目がとどまる、長く効く。
見  解: 〈注 意〉
製剤上の工夫で薬剤が長くとどまるとしても「効き目がとどまる」「長く効く」となると効果が持続すると誤解されるのではないでしょうか?承認を受けた用法用量に合致した表現にしてくださるようお願いします。
〔基準3(8)〕
●睡眠改善薬
指摘箇所: 〈音 声〉
国内で初めて大衆薬として
見  解: 〈注 意〉
「初めて」あるいは「初」という表現は発売後6ヶ月を目安としてのみ使用できます。ご注意ください。
〔基準3(7)〕
●薬用酒
指摘箇所: 〈画面・音声〉
「あー飲みやすいです。すっごく」
見  解: 〈注 意〉
場所が医薬品販売の許可を得ていない公道において、あたかも「試飲」させたかのような表現であり、薬事法に抵触する恐れもあります。ご注意ください。
〔薬事法24条〕〔広告者の責務〕〔基準3(6)〕
新聞・雑誌広告
●健康と家庭薬特集
指摘箇所: 〈全 体〉
医薬品と医薬部外品・医療機器が混在して表現されていること
  〈注 意〉
連合広告とはいえ、医薬品と明確に区別できるような掲載願います。ご注意ください。
〔基準3(1)〕
●才食健美
指摘箇所: 〈全 体〉
医薬品と食品が隣り合わせで表現されていること
  〈注 意〉
連合広告とはいえ、医薬品と明確に区別できるような掲載願います。ご注意ください。
〔準3(1)〕
●花粉症対策特集
指摘箇所: 〈全 体〉
医薬品と食品が混在して表現されていること。また、効能効果にまったく関連がない商品を花粉症というキャッチフレーズで括って表現していること
  〈注 意〉
医薬品と食品は、明確に区別できるように掲載願います。また、全体を括るキャッチフレーズは共通の効能効果に関連したもので表現下さるようお願いします。ご注意ください。
〔基準3(1)〕

[話 題]第184回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●鼻炎内服薬
指摘箇所: <画 面>
内服薬の服用場面
見  解: <話 題>
服用場面について話題になりましたが特殊剤型の説明であり許容範囲では?との結論でした。
〔基準4〕
●目薬
指摘箇所: <文 字>
アイケアキャンペーン
見  解: <話 題>
オープン懸賞の実施・告知は可能ですが、医薬品広告であることから「購入を条件とはしていない懸賞である」旨を併せて表現していただけますようご協力をお願いします。
〔基準4,11〕
●ビタミン含有保健剤
指摘箇所: <画面・音声>
効能・効果表示がないこと
見  解: <話 題>
生活者に誤解なきよう効能効果は明確に表現くださるようお願いします。
〔広告者の責務〕
●鼻炎内服剤
指摘箇所: <文 字>
内服薬の服用場面
見  解: <話 題>
服用場面について話題になりましたが特殊剤型の説明であり許容範囲では?と結論づけられました。
〔基準4〕
●痔疾用薬
指摘箇所: <文 字>
リーダー的な存在として走り続ける
見  解: <話 題>
当該市場における地位等は事実としても保証的表現では?と話題になりました。
基準3(6)


OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2005年1月20日~2005年4月1日

広告主
商品名
秒数
エーザイ チョコラCCホワイト 15
エーザイ チョコラBBプラス 15
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 30
佐藤製薬 ユンケル{黄帝液}コンテスト~3/31 P 90
武田薬品 アリナミンEX 15
武田薬品 アリナミンEX 15
大正製薬 リポビタンD 30
常盤薬品 ビタシーゴールド 30
佐藤製薬 ストナリニS 15
ロート製薬 アルガード鼻炎クールアップソフトチュアブル 15
ロート製薬 アルガード鼻炎クールアップソフトチュアブル 15
ゼファーマ エージーノーズ 15
ライオン アルフレッシュSP錠 60
大幸薬品 ラッパ整腸薬BF 30
大正製薬 大正漢方胃腸薬{微粒・錠剤} 15
武田薬品 新ビオフェルミンS錠 30
武田薬品 ビオフェルミン健胃消化薬錠 90
ゼファーマ サリドンA 15
ライオン バファリンA(バファリンプラス) 30
大正製薬 ホワイトアイリスフレッシュ 15
ロート製薬 Cキューブ{クールチャージ}アイケアcpP 15
ロート製薬 ドライエイドアイケアcpP 15
ロート製薬 アルガードクールEX 15
ゼファーマ エージーアイズ(クール) 15
ライオン スマイルコンタクトピュア 15
佐藤製薬 ラマストンMX{液・クリーム} 15
三共 ラミシールAT{クリーム・液・スプレー} 30
大正製薬 ダマリンエース 30
武田薬品 スコルバダッシュ(LXシリーズ) 15
久光製薬 ブテナロッククリーム 15
久光製薬 のびのびサロンシップ{温感} 30
久光製薬 エアーサロンパス{EX・インドメタシン1.0%} 30
久光製薬 エアーサロンパス{EX・インドメタシン1.0%} 30
ライオン ハリックスID透明パッド{温感} 15
エスエス製薬 ドリエルP 30
小林製薬 漢方ナイトミン 15
武田薬品 ニコレット 15
ロート製薬 Cキューブアミノチャージ洗眼薬アイケアcpP 15
大正製薬 リアップレディ 15
大正製薬 リアップレディ 15
大正製薬 リアップレディ 15
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
ファイザー ファイザー 15
東和薬品 東和薬品 30
大洋薬品工業 大洋薬品 15
大洋薬品工業 大洋薬品 15
アステラス製薬 アステラス製薬 30
藤沢薬品 アステラス製薬 30
山之内製薬 アステラス製薬 30
山之内製薬 アステラス製薬 30

新聞広告収録明細
期間:2005年1月・2月
広告主
商品名
媒体名
アサヒフードアンドヘルスケア エビオス錠 読売新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 読売新聞
大杉製薬 オースギ八味地黄丸A 毎日新聞
大杉製薬 モリタイジーン 毎日新聞
大杉製薬 オースギ八味地黄丸A 読売新聞
大杉製薬 モリタイジーン 読売新聞
大杉製薬 モリハイツウ錠 読売新聞
救心製薬 救心 日経新聞
救心製薬 救心 毎日新聞
興和 バンテリンコーワ1.0%クリーミィゲル 産経新聞
再春館製薬所 痛散湯 産経新聞
佐藤製薬 ストナジェルサイナスS 朝日新聞
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 朝日新聞
三共 新ルルAゴールド 毎日新聞
三共 新ルルAゴールド 読売新聞
三共 新三共胃腸薬 朝日新聞
第一製薬 新センロック散剤 読売新聞
武田薬品工業 ボラギノールA注入軟膏 朝日新聞
久光製薬 サロンパスA 産経新聞
ピップ ピップエレキバン 朝日新聞
ピップ ピップイーバン 朝日新聞
山崎帝国堂 毒掃丸総合 読売新聞
ユースキン製薬 ユースキンアイ 読売新聞
ロート製薬 ロート養潤水 毎日新聞
エスエス製薬 アトラントエース液 朝日新聞
エスエス製薬 アトラントエースクリーム 朝日新聞
エスエス製薬 エスタック鼻炎ソフトニスキャップ 朝日新聞
エスエス製薬 エスタックニスキャップ12 朝日新聞
大杉製薬 オースギ八味地黄丸A 産経新聞
大杉製薬 モリタイジーン 産経新聞
救心製薬 救心 毎日新聞
興和 キャベジンコーワS 産経新聞
興和 コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル 毎日新聞
興和 コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル子ども用 毎日新聞
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 朝日新聞
三共 ラミシールAT 日経新聞
大幸薬品 ラッパ整腸薬BF 産経新聞
大正製薬 ダマリンエース 日経新聞
武田薬品工業 新アリナミンA 朝日新聞
武田薬品工業 新アリナミンA 朝日新聞
武田薬品工業 新アリナミンA 朝日新聞
武田薬品工業 新アリナミンA 朝日新聞
久光製薬 フェイタス 読売新聞
久光製薬 ブテナロック 読売新聞
才食健美   朝日新聞
ユースキン製薬 ユースキンアイ 読売新聞
ライオン アルフレッショSP錠 朝日新聞
健康と家庭薬   毎日新聞
花粉症対策   読売新聞

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