連合会の活動

広告審査会について

~ 第202回 広告審査会 ~

日時 平成20年4月21日(月) 14:00~16:45
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、瀧澤晶子、古澤康秀、堀 美智子
(広告委員会委員) 太田 昭、室 直秀、長橋幹雄、 佐藤栄一、三原広義、冠 京子、木下俊也(代)、 倉本 力(代)
幹事 前廣敬介(第一三共ヘルスケア)、近藤 寛(救心)、 星野好紀(大正)、嶋本 勝(武田)、青島修治(ライオン)
審査対象 テレビ広告    49件
新聞・雑誌広告  23件  合計72件
広告収集期間 テレビ広告 平成20年2月4日~平成20年3月19日
新聞広告  平成20年2月、3月

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審査概評  広告審査会委員  亀井昭宏
第202回広告審査会では、次のとおりでした。
審査件数・・・ テレビ広告
新聞・雑誌広告
49件
23件
計 72件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 2件

話題・・・ 6件
  新聞・雑誌広告

注意・・・ 3件
  話題・・・ 3件
  調査・・・ 1件
◇     ◇     ◇      ◇     ◇
 都心の桜の花もほとんど散って、いよいよ春らしい暖かな日の訪れが実感できるようになってきた。そして今年もまた、OTC医薬品の広告では急に水虫薬の広告が目立つようになってきた。水虫は、革靴やスニーカーを長時間履く生活を送っている現代人にとっての宿命病のような存在になっていると言っても過言ではないポピュラーな疾病だから、水虫薬市場は有望なOTC医薬品市場として、関係製薬会社の期待は膨らみ、その販売に力が入るのも当然であろう。しかし、水虫薬の広告に共通するトーンとしていつも感じていたのは、「どうして水虫薬の広告って、どれもあんなに力が入っているのだろうか?」という疑問であった。テレビCMを中心とする今年の水虫薬広告も、昨年までの広告と全く同様に、その表現には異常な(!?)ほどの力みとおどろおどろしいCCが溢れかえっていて、これまでと全く同様な感想を抱いたこともあり、この点について少し触れさせて頂きたいと思う。

 水虫薬のCMに登場するタレントは、すべてに力を入れた演技をしており、ナレーションも擬音も必要以上に大きな音量である同時に、提示されるグラフィックスも、時には気分が悪くなるような不気味なCG表現によるものが大半である。こうした表現傾向は、OTC医薬品の広告表現としてはほとんど「例外」と言ってもよく、このカテゴリーにおいてだけ不思議な傾向が形成されているということを、敢えて指摘させて頂きたいと思うのである。

 必要以上の強調が「誇張」に繋がるだけでなく、不気味さや深刻さを強調し過ぎると、それは一種の「恐怖訴求」につながり、その繰り返しが受け手(消費者)の広告への信頼感を損なうだけでなく、より大きな印象効果を確保しようとして、さらなる強調が加味されていくという悪循環に陥る可能性があることは、言うまでもないのである。現状の水虫薬広告が、既にそうしたレベルにまでほとんど近づいているのではないかというのが私の感想なのである。

 今回の審査に珍しくごく普通なトーンの水虫薬のCMが含まれていて、非常に新鮮に感じたのが印象的ですらあった。すべての水虫薬のCMがそうあるべきだ、などと申し上げるつもりはないが、ライバル商品と比べて目立とうとする気持ちが、消費者の気持ちや感情から乖離してしまっていて、強調印象だけで商品購買へつなげようとする訴求戦略は、OTC医薬品広告にはそぐわないのではないだろうか。ことに、大半のOTC医薬品広告において、真摯で丁寧で、そして消費者本位の訴求の実現に向けて関係者が一丸となって努力しておられる実態を目にするとき、そうした異端児の存在がOTC医薬品広告全体のイメージや信頼性の低下に繋がり得る可能性のあることに危惧を感じざるを得ないのである。関係者の皆さまのご一考を請う次第である。

  今回の審査会の席上で、「医薬品の有効性に関しデータを利用して広告するに際しての指針案」が広告委員会名で提示され、協会事務局から説明がなされた。筆者自身としては、消費者の判断や商品イメージが究極的にその購買決定に影響を及ぼすようなOTC医薬品のような納得型の商品については、彼らの判断や意思決定に資するような商品情報は積極的に提供ないし提示されるべきであると考えていたので、大いに意を強くした次第である。しかも、そのデータ提示の条件についての基準などについてもきわめてよく配慮がなされており、納得のできる内容のものになっていたことを大いに歓迎したい。

 有効性のみならず副作用などの情報も併記することなど、きわめて妥当なルールが定められていた。また、具体的な表現形態についても、効果の強調や保証に繋がる表現、消費者に誤認を与えるような極端なスケール変更やトリミングなどの表現などをできなくするルールが定められており、OTC医薬品広告の大きな発展に繋がる画期的なものと言えるのではないかと考えている。

 ただ、敢えて申し上げさせて頂くと、そうしたデータを最低限どの程度のサイズないし分量で広告中に提示すべきか、という点についての問題点が残されているように思われたのである。それは、今回の審査会にも登場して、感想的に指摘させて頂いた だいのであるが、ほとんど視聴者が読み取れない(識別できない)程度のサイズまたは秒数で商品説明のコピーを提示しているテレビCMが存在していたからであった。この点は、新聞広告や雑誌広告でも、読むに耐えないような小さなポイントの活字で、あるいは大量のコピーとして提示するなどの表現がありえなくはないからである。そうした消費者にとって意味のあるOTC医薬品の有効性データが、あたかも呪文やまじないマガイのコピーに化してはならないからである。さらには、いまだ機が熟してはいないが、いずれはOTC医薬品広告においてもその意義が評価されるであろうと確信している比較広告自由化への途を切り拓くものであると、筆者は期待していることを付言させて頂くものである。 (以上) 
◇     ◇     ◇      ◇     ◇
 
審査結果 
テレビ広告
●目薬
指摘箇所:

〈音 声〉
目の表面は、ほら、激しく乾いています。
〈画 面>〉
角膜保護成分(イメージ図)の表現で角膜が乾いてひび割れを起こしているように見えること

見  解:

〈注 意〉
効能・効果は「目の乾き、コンタクトレンズをしている時の不快感、目の疲れ」等です。当表現「目の表面は激しく乾いています」の音声と「角膜にひび割れを起こしている」のイメージ画面からはいささかオーバーで恐怖の感じを与え、行き過ぎた表現と言わざるを得ません。ご注意ください。

〔基準12〕
指摘箇所:

〈文 字〉
角膜保護成分(HPMC)

見  解:

〈注 意〉
角膜保護成分(HPMC)等の略語を使う場合はその正式名称「ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208」も記載してください。ご注意ください。

〔基準3(4)〕
見  解:

〈調 査〉
イメージ図における「ひび割れ」の表現で角膜をコンタクトレンズは覆っているのでしょうか?また、装着している場合に角膜とコンタクトレンズとの間が乾燥して「ひび割れ」を起こすのでしょうか?「ひび割れ」表現の根拠をご説明ください。

●発毛剤
指摘箇所:

〈画 面〉
頭皮の断面図を用いた有効成分の説明カット

見  解:

〈注 意〉
静止画であるとはいえ「イメージ図」と記載下さるようお願いします。

〔広告自主申し合わせ(4)〕
新聞・雑誌広告
●漢方薬
指摘箇所: <文 字>
単独効能だけを取り上げて有効性のデータを掲載
見  解: <注 意>
効能・効果「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:肥満症、便秘、高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、むくみ」と記載していますが、「肥満症」だけを取り出して有効性のデータを掲載し、キャッチコピー、ボディーコピーとも肥満症に関わる説明に終始しますと、専門薬的な強調表現となります。ご注意ください。
〔基準3(1)〕
●抗アレルギー剤
指摘箇所: <文 字>
起きている症状を鎮めるだけではなく、アレルギー症状の発症から悪化までのメカニズム全体に働きかけるから、花粉症との付き合い方が変わる、毎日の生活が変わる、あなたの春が変わる。
見  解: <注 意>
「花粉症との付き合い方が変わる、毎日の生活が変わる、あなたの春が変わる」の表現はいささかオーバーで根治的・保証的な印象を与えます。ご注意ください。
〔基準3(6)〕
●解熱鎮痛剤
指摘箇所: <文 字>
「アスピリン+桂皮」がよく効く
桂皮の香り自体に気分を和らげることなどが見直されています。
見  解: <注 意>
新聞・雑誌等活字媒体のキャッチコピーでの「よく効く」は強調表現に当たります。キャッチコピーで表現する場合は「効きます」等に止めてください。また、「桂皮の香り自体に気分を和らげることなどが見直されています」は効能・効果に関わる主作用ではありません。ご注意ください。
〔基準3(1)、3(6)、3(9)〕

第202回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●目薬
指摘箇所: <文 字>
医薬品の表示
見  解: <話 題>
「医薬品」である旨を記載し、新指定・新範囲医薬部外品ならびに特保等食品との区分を明確にすることとなっております。商品カットの近くに読みやすい大きさで医薬品の表示をお願い致します。
〔広告自主申し合わせ(2)〕
●目薬
指摘箇所: <音声・画面>
「目のかゆみ、充血に高機能目薬」
見  解: <話 題>
自社シリーズ品と比較して新たに「リゾチーム塩酸塩」を配合したからといって「高機能」と表現するのはいささかオーバーではないでしょうか?と話題になりました。また、自社品と比較する場合はその旨を明瞭に記載してください。
〔基準3(7)、9〕〕
●水虫薬
指摘箇所: <音 声>
「・・・○○成分がかゆみのもとを抑え、・・・・」
見  解: <話 題>
水虫薬における「かゆみ」表現はかゆみ止め成分が有効成分として配合されていれば「かゆみを抑え」等の表現は可能ですが、「かゆみのもとを抑え・・」となるといささかオーバーで完治的印象を与えるのでは?と話題になりました。
〔基準3(7)、9〕〕
●外用消炎剤
指摘箇所: <文 字>
ぶら下りの商品カットに効能・効果の記載がないこと
見  解: <話 題>
広告上ではぶら下りの商品カットにも効能・効果を正確に2つ以上表現してくださるようにお願い致します。
〔第2広告者の責務〕
●外用消炎剤
指摘箇所: <音声・画面>
「ずっとずっと刺激を求めてきた。こんな刺激初めて」
見  解: <話 題>
商品カットで「肩こり、筋肉痛に」と記載していますがCM全体からは刺激の強調以外は伝わってきません。もう少し効能・効果等に係わる説明をした方がよいのでは?と話題になりました。
〔第2広告者の責務〕
●鎮痒剤
指摘箇所: <音声・画面>
「・・・だれだって痒くなる。だから○○・・」
見  解: <話 題>
「だれだって痒くなる」の「だれだって」は「だれだって」=「みんな」となる大げさな表現で、恐怖心を訴求しているのでは?と話題になりました。
〔基準3(1)、12〕
新聞・雑誌広告
●鎮咳去痰剤
指摘箇所: <文 字>
効能・効果の記載がないこと
見  解: <話 題>
広告上では効能・効果を正確に2つ以上表現してくださるようにお願い致します。
〔第2広告者の責務〕
●鼻炎用内服薬
指摘箇所: <文 字>
効能・効果の言い換えでの記載であること
「鼻・・・鼻づまり」
見  解: <話 題>
効能・効果は「蓄膿症、副鼻腔炎、臭鼻症、鼻カタル、鼻閉塞」です。広告上では効能・効果を正確に2つ以上表現してくださるようにお願い致します。
〔第2広告者の責務〕
●かぜ薬
指摘箇所: <文 字>
効能・効果の記載がないこと
見  解: <話 題>
パッケージに効能が表示されているとはいえ、広告上では効能効果を正確に2つ以上表現してくださるようお願いします。   
〔第2広告者の責務〕


OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2008年2月4日~2008年3月17日

広告主 商品名 秒数
久光製薬 サロンパスシリ-ズ フェイタスL(温感) 15
久光製薬 サロンパスシリ-ズ フェイタス(温感) 15
久光製薬 サロンパスシリ-ズ フェイタス(温感) 15
久光製薬 サロンパスロ-ション 運動器の10年応援 15
興和新薬 バンテリンコ-ワパップS(ミニパット) 15
小林製薬 フェミニ-ナ軟膏s(フェミニ-ナミスト) 15
小林製薬 ケシミンクリ-ム 15
大正製薬 ダマリングランデ{液・クリ-ム・スプレ-} 15
第一三共ヘルスケア ウィンダム{液・クリ-ム} 15
第一三共ヘルスケア ウィンダム 液 15
武田薬品 スコルバEX{-・液・クリ-ム} 15
武田薬品 スコルバEX{-・液・クリ-ム} 15
フマキラー アレルシャット 花粉鼻でブロック 60
大正製薬 リアッププラス 30
大正製薬 リアッププラス 15
大正製薬 リアッププラス P 60
大洋薬品工業 大 洋 薬 品 90
大洋薬品工業 大 洋 薬 品 60
第一三共ヘルスケア 第 一 三 共 30
第一三共ヘルスケア 第 一 三 共 60
日本ケミファ 日本ケミファ 30
参天製薬 参天製薬 30
万有製薬 万有製薬 30
万有製薬 万有製薬 15
エスエス製薬 ハイチオ-ルC(ハイチオ-ルCプルミエ-ル) 30
第一三共ヘルスケア ト ラ ン シ - ノ 15
第一三共ヘルスケア ト ラ ン シ - ノ 15
ロート製薬 アルガ-ド鼻炎ク-ルアップ(-・-・-) 15
興和新薬 コルゲンコ-ワ鼻炎ソフトミニカプセル(子ども用) 15
全薬工業 ジキニン鼻炎AG顆粒 30
大正製薬 パブロン鼻炎カプセルS 15
ライオン ストッパ下痢止め(小中学生用) 30
内外薬品 ケ ロ リ ン 15
ジョンソン&ジョンソン バイシンアルメディモイスト 15
ライオン スマイル40メディクリア 60
ライオン スマイル40メディクリア 60
ライオン スマイル40メディクリア 60
ライオン スマイル40メディクリア 60
ライオン スマイル40メディクリア 60
参天製薬 サンテ40{-・V} 15
小林製薬 アイボン トロ-リ目薬ドライアイ 15
トクホン トクホン 15
トクホン トクホンヘクトメタシン 15
ノバルティスファ-マ ラミシ-ルプラス クリ-ム(液・-) 15
久光製薬 ブテナロックV クリ-ム 160th 15
久光製薬 ブテナロックV{クリ-ム・-・-・エア-} 60
久光製薬 ブテナロックV{クリ-ム・-・-・エア-} 60
久光製薬 ブテナロックV クリ-ム 15
久光製薬 サロンパスA 運動器の10年応援 15




新聞広告収録明細
期間:2008年2月
広告主
商品名
媒体名
ロート製薬 ロートアイストレッチ 毎日新聞
救心製薬 救 心 総 合 毎日新聞
第一三共ヘルスケア 新ルルAゴールド 毎日新聞
龍 角 散 龍 角 散 毎日新聞
浅田飴 浅田飴 毎日新聞
小林製薬 のどぬーるスプレー 毎日新聞
太田胃散 太田胃散A 毎日新聞
大幸薬品 正 露 丸 毎日新聞
わかもと製薬 強力わかもと 毎日新聞
イチジク製薬 イチジク浣腸 毎日新聞
トクホン トクホンヘクトメタシン 毎日新聞
ロート製薬 ロートアルガード 毎日新聞
興  和 ザガードコーワ整腸錠 毎日新聞
興  和 バンテリンコーワ総合 日経新聞
再春館製薬所 痛  散  湯 毎日新聞
大正製薬 パブロンエースAX 朝日新聞
大正製薬 パブロンエースAX 読売新聞
大正製薬 パブロン点鼻Z
パブロン鼻炎カプセルZ
アイリスアレスト
日経新聞
大正製薬 パブロン鼻炎カプセルS 読売新聞
内外薬品 カゼンエース,ケロリン 朝日新聞
ノバルティスファーマ ザジテンAL鼻炎カプセル
ザジテンAL点眼薬
ザジテンAL鼻炎スプレー
朝日新聞
久光製薬 フェイタス(貼るタイプ) 毎日新聞
久光製薬 フェイタス総合 読売新聞
 
 

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