日本一般用医薬品連合会 - 一般用医薬品業界の連携を強化し、様々な課題について取り組みを進めます。

　来年から開始される国民健康づくり運動「第二次　健康日本21」。そのなかに肥満の解消とともに、若い女性のやせ過ぎが問題として指摘されている。現在、20 歳代女性のやせすぎの人の割合が29.0％（平成22データ）であるのを10年後の平成33年に20％にしようとの目標値がある。最近10年は20 歳代女性のやせすぎの人の割合は20％から30％の間を推移していて、15～19 歳の年齢階級も20 歳代と同様に高い割合を示しているとされている。
やせるために、下剤や利尿剤を使用し、やせるために極端に食事を制限し・・・。　やせ過ぎは、日本の将来にも大きく影響することである。健康という視点から考えた時、これがいかに愚かなことかを知ることが大切である。10代のカルシウムの摂取不足は、将来骨粗鬆症の発症に大きく関与するであろう。やせ過ぎは、生体の存続の危機でもある。個人の生体機能を維持するためには妊娠など無理ということにもなり、生理は不順になり不妊も問題になる。また、出生児の低体重も問題とされている。低栄養状態のなか生まれた子は、将来糖尿病を発症する可能性が高くなると予測されている。健康的な適正体重を知ること、美形より健康美が大切である。
そんな視点でテレビ番組やＣＭを見ていて気になるのは、痩身に関するものが多すぎることである。やせ薬と誤解されかねないＣＭは、薬についてよりサプリメントのほうが圧倒的に多いが、一般の方で、サプリメントと薬の違いについて正しく認識されている方は少なく、サプリメントについても薬のように効果を期待して使用されている。
「やせると紹介されているサプリメントを使用したがやせない。どうしてでしょうか。」薬局にいると、このような質問はよくあることである。肥満が生活習慣病のリスクファクターであることは、多くの人に認識されているが、ダイエット効果を期待して使用されるような商品のCMにあるのは、極めて健康的な女性をモデルにしているものもあり、なぜ、この人がやせることが必要なのかと、首をかしげたくなる。
　健康とは、いったいなんなのか。薬は健康を守るためにある。必要のない誤った使用に関して、健康を阻害するような使用がなされないようにと願わずにはいられない。

　さて、ＣＭ審査会で議論された中に、「重い、だるい」は疲れの表現として適切かどうかといった指摘があった。肉体疲労時の栄養補給という言葉を広告中に明瞭に記載するようにということになったのだが、疲れの表現の難しさを感じた。それとともに、企業側の戸惑いも・・・。この表現は2007年から６年間同じ表現を使用してきたとのこと。なぜ、今・・・。確かに、言われるとおりである。しかし、ＣＭ審査は同じものであったとしても、ふと疑問に思うことがある、誰かがある日、何かに気づく・・・。たとえ同じであったとしても、気がついたときに話しあうことは大切である。今まで指摘がなかったから、それでよいというわけにはいかないのは、当然のことである。だからこそ、問題点を見逃さないように、審査に臨みたいと思う。
　次に、同じ商品名をフレーズとして持つ、シリーズで販売されている商品が何品目も同じ画面に紹介されている場合、商品名の全ての表示は煩雑になるので、パッケージの商品名がきちんと判読できるのであれば、商品名の記載は省略してよいのではとの意見が交わされた。シリーズの中の一商品の紹介より、シリーズ全体の紹介でその違いがクローズアップされれば、商品選択の時に大いに役立つと思う。

以上