連合会の活動

広告審査会について

~ 第234回 広告審査会 ~

日時 平成25年8月26日(月) 14:00~17:00
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、古澤康秀、瀧澤晶子、堀美智子
(広告委員会委員) 船橋誠、関口和伴、西本正剛、宮瀬昌行、 川庄尚、脇本貴司、数野哲、上村浩
実務部会代表 梅岡 久、近藤 寛
審査対象 テレビ広告     64素材
新聞・雑誌広告   24素材
        合計88素材
広告収集期間 テレビ広告      平成25年6月1日~平成25年7月28日
新聞・雑誌広告    平成25年6月2日~平成25年7月29日

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審査概評  広告審査会  古澤 康秀

 今年の夏の暑さは記録ずくめでした。また、局地的な豪雨が各地に被害をもたらしました。とにかく異常で過激な夏でした。
 連日の猛暑に関する報道の中で、「暑いときに暑く、寒いときに寒いことは、経済にプラスの効果をもたらす」というデータが紹介されていました。そう言えば医薬品業界についても、「夏に暑ければドリンク剤が売れ、冬に寒ければかぜ薬の売れ行きが伸びる」、という話を聞いたことがあります。皆様の会社では、いかがでしょうか。

 さて、今回の審査会で最も議論が盛り上がったのは、目薬の使用感に関する表現の是非についてでした。目薬を差したときの爽快感や清涼感について、「最高」、「最大」、「最強」などの激しい表現をちりばめて、各社が競うように強調しています。爽快感や清涼感といった使用感は、医薬品の効能・効果ではないので、適正広告基準が禁止している効能・効果の保証表現や最大級の表現には、直ちには該当しないかもしれません。そのためかどうかは知りませんが、近年、使用感に関する広告表現について、(あたかも今年の夏の気候のように)過激さがエスカレートしてきているように思います。
 しかし、目薬には、医薬品としての本来の効能・効果があります。その本来の使用目的はそっちのけで使用感ばかりを強調するのでは、医薬品の乱用助長につながりかねません。そのため、適正広告基準第3の「4.医薬品等の過量消費又は乱用助長を促すおそれのある広告の制限」に抵触することが考えられます。内容によっては、「3(9)本来の効能効果等と認められない表現の禁止」、「5.医薬品等の品位の保持等」や「9.他社の製品のひぼう広告の制限」に抵触するおそれもあります。今回の審査会の判定では「話題」に止まりましたが、今後も状況が改善されないようであれば、いずれは「注意」に相当する判定を受ける可能性が高いと思います。関係各社におかれては、そのような事態に至らないよう、過度な広告表現を自粛していただく必要があるでしょう。
 なお、使用感の強調に関しては、貼り薬や塗り薬などの外用薬についても同様の注意が必要です。

 超高齢化社会を迎え医療の効率化が求められる中、セルフメディケーションの推進が、国として取り組むべき重要な施策に位置づけられようとしています。その中にあって、OTC医薬品は、医薬品生産額全体に占めるシェアを欧米先進国並みに増大させることによって、これに貢献していくことが求められます。
 しかるに、昨今のOTC業界は、機能性食品、健康食品やサプリメントの攻勢を受け、医療用医薬品との狭間(はざま)で存在感が希薄になっているとの声さえ聞かれます。薬事法の規制を受けないこれらの商品の広告には、医薬品広告では決して許されないような誇大な表現もまかり通っており、見ていても腹立たしいほどです。医薬品広告の制作に関わっている方の中には、医薬品についても、もっと自由に広告できるようにして欲しいと望んでおられる方も少なくないでしょう。
 ある意味で、それは正しい見解だと思います。ただ、その方向性を誤ってはなりません。食品広告のまねをして、医薬品としての品位を疑わせるような過激な表現や、生活者を欺くような使用体験談(実はその多くがシナリオに基づく演技)などにより、医薬品に対する生活者の信頼を損なってしまっては、健康食品等との違いがなくなり、OTC医薬品の存在意義そのものを失うことになりかねません。
 規制を緩和する方向で考えるべきは、科学的根拠に基づく事実を正確に生活者に伝えるために必要な広告表現です。言い換えれば、OTC薬が品質・有効性・安全性に関する厳格な基準をクリアした
「医薬品」である事実を、科学的根拠に基づいて生活者にアピールするための広告表現です。そのことによってこそ、食品との差別化が図られ、OTC業界の健全な発展、ひいてはセルフメディケーションの推進につながるものと信じます。

以上

 
 
審査結果 
テレビ広告
解熱鎮痛薬
指摘箇所:

<画面・音声>
リピート率No.1

見  解:

<注 意>
効能効果を離れているとはいえ、No.1という文言は生活者に誤認を与える恐れがある。また、極めて保証的でもあり、とらえ方によっては他社誹謗にもつながる可能性もある。

〔基準3(6)(7)、基準9〕
みずむし・たむし用薬
指摘箇所:

<画 面>
使用上の注意が小さい。

見  解:

<注 意>
使用及び取り扱い上の注意を特に喚起する必要がある医薬品等について広告する場合は、それらの事項を又は使用及び取り扱いの上の注意に留意すべき旨を、付記し又は付言しなくてはいけない。 その使用上の注意が画面の大部分(3分の2)を占める必要がある。

〔基準8〕〔ガイドライン13〕
漢方製剤
指摘箇所:

<画 面>
・こだわりが違う。
・効き目が違う。

見  解:

<注 意>
自社品との違いを画面上でおさえてあるとはいえ、他社品がこだわりがなかったり、効き目がないようにも受け取られる。他社誹謗的でもあるし、保証的でもある。また、いささかオーバーで医薬品広告の品位にもかける。

〔基準3(6)〕〔基準9〕〔基準15〕
毛髪用薬(発毛,養毛,ふけ,かゆみ止め用薬等)
指摘箇所:

<音 声>
使用上の注意について、生活者を喚起するような音声がない。

見  解:

<注 意>
使用及び取り扱い上の注意を特に喚起する必要がある医薬品等について広告する場合は、視聴者の注意を喚起するような音声等も画面と一緒に使用しなくてはいけない。

〔基準8〕〔ガイドライン13〕
 

第234回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
一般点眼薬
指摘箇所: <画 面>
・爽快感の頂点
・最高級の清涼感
・最高クール
<音 声>
・爽快感を求めた、目薬の頂点
見  解: <話 題>
効能効果ではなく使用感とはいえ、最大級表現を重ねると生活者の誤認につながる恐れがある。医薬品で効能効果以外を強調しすぎると効能効果の誤認を与える恐れがある。また品位を損なう可能性もある。効能効果をおさえた上で、その他の強調は程々にすべき。
〔基準3(6)(7)、基準15〕
人工涙液
指摘箇所: <画面・音声>
突き抜ける最強クール
見  解: <話 題>
効能効果ではなく使用感とはいえ、最大級表現を重ねると生活者の誤認につながる恐れがある。医薬品で効能効果以外を強調しすぎると効能効果の誤認を与える恐れがある。また品位を損なう可能性もある。効能効果をおさえた上で、その他の強調は程々にすべき。
〔基準3(6)(7)、基準15〕
整腸薬
指摘箇所: <画 面>
製品名・効能効果の記載がない。
見  解: <話 題>
医薬品等の広告を行う者は、使用者が適正に使用できるよう正確な情報の伝達に努めなくてはならない。
〔第2広告者の責務〕
鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)
指摘箇所: <画面・音声>
キャンペーン中。
見  解: <話 題>
CM中でキャンペーンの告知を行う場合は、購入を必須とするものなのか、そうでないのかをはっきり表現しないと生活者に様々な誤認を与える可能性がある。
〔第2広告者の責務〕
漢方製剤
指摘箇所: <画面・音声>
最大量配合。
見  解: <話 題>
最大級表現を強調しすぎると、生活者の誤認につながる恐れがある。品位を損なう可能性もある。効能効果をおさえた上で、その他の強調は程々にすべき。
〔基準3(6)(7)、基準15〕
漢方製剤
①指摘箇所: <画 面>
効能効果等のしばりの付記がない。
見  解: <話 題>
この製剤の効能効果は「体力中等度又はやや虚弱なものの次の諸症」のしばりの付記が必要。またテレビにおける効能効果等のしばり表現は漢方製剤等のように比較的長い場合に限り省略できるが、その場合は必ず「この○○○は体質、症状に合わせてお飲み下さい」等の注意喚起の旨を付記又は付言しなければならない。
〔基準3(1)〕〔ガイドライン3(5)〕
指摘箇所: <画 面>
使用後の動作が完治を強調し、オーバー
見  解: <話 題>
使用前、使用後的な表現であり、完治を強調した表現で、保証的に見える。
〔基準3(6)〕〔ガイドライン7(4)〕
指摘箇所: <画面・音声>
「天然生薬だけを配合」「成分が最大量配合された満量処方」
見  解: <話 題>
効能効果及び安全性を保証する表現。
〔基準3(6)〕
④指摘箇所 <画 面>
製品から顆粒がでるシーンで、顆粒の量が実際より多すぎる。
見  解: <話 題>
医薬品等の広告を行う者は、使用者が適正に使用できるよう正確な情報の伝達に努めなくてはならない。
〔第2広告者の責務〕
以上
 



OTC医薬品TV CM VTR収録リスト

広告主 商品名 秒数
塩野義製薬 ポポンSプラス 15
武田薬品 アリナミンEXプラス 15
武田薬品 アリナミンEXプラス 15
武田薬品 アリナミンEXプラス 15
武田薬品 アリナミンEXプラス 15
エーザイ チョコラBBハイパ-(チョコラBBロ-ヤル2) 30
大正製薬 リポビタンD(リポビタンDス-パ-) 30
大鵬薬品工業 チオビタドリンク(ゴ-ルド) 30
武田薬品 アリナミンV 15
武田薬品 アリナミンR-Off 15
クラシエ薬品 カンポウ専科 葛根湯{液剤} 15
小林製薬 チクナイン錠 15
ライオン スクラート胃腸薬 60
ライオン スクラート胃腸薬 60
ライオン スクラート胃腸薬 60
ライオン スクラート胃腸薬 60
ライオン ストッパ下痢止めEX 15
ライオン スクラート胃腸薬S 散剤 60
興和新薬 キャベジンコ-ワS 15
大正製薬 大正漢方胃腸薬 {微粒・錠剤} 15
第一三共ヘルスケア ガスタ-10 15
エスエス製薬 イブクイック頭痛薬(イブA錠) 15
ライオン バファリンA (バファリンプラスS) 15
ライオン バファリンルナi 30
ライオン バファリンルナJ 60
ライオン バファリンルナJ 60
ライオン バファリンルナJ 60
ライオン バファリンルナJ 60
塩野義製薬 {セデスハイ・セデスハイG} 30
第一三共ヘルスケア ロキソニンS 15
ロート製薬 ロ-トジ-プロc(ロ-トジ-コンタクト) 15
武田薬品 マイティアCL アイスクラッシュ 15
クラシエ薬品 コッコアポL錠(コッコアポプラスA錠) 15
わかもと製薬 わかもと整腸薬ビナチュラ 15
小林製薬 クレンジル 15
ア-ス製薬 サラテクト(サラテクトティッシュ) 15
ア-ス製薬 医薬品サラテクトFA(ク-ル・マイルド) 15
ア-ス製薬 サラテクト マイルドミスト 15
ア-ス製薬 サラテクト ティッシュ(サラテクトク-ル) 15
キンカン キンカン 15
ノバルティスファ-マ ボルタレンEX{テ-プ・ゲル} 15
久光製薬 ブテナロックVα クリ-ム(爽快パウダ-) 15
久光製薬 サロンパスA ロコモティブシンドロ-ムを応援 15
久光製薬 サロンパス{30・ハイ}ロコモティブシンドロ-ム 15
久光製薬 サロンパスシリ-ズ フェイタス3.5α(Z)応援 15
久光製薬 エア-サロンパスジェットα 50周年cp P 15
興和新薬 新ウナコ-ワク-ル 15
興和新薬 バンテリンコ-ワクリ-ミィ-ゲルLT 15
興和新薬 バンテリンコ-ワクリ-ミィ-ゲルLT 15
小林製薬 アットノン 15
小林製薬 アンメルツゴールドEX 15
池田模範堂 ポケムヒ ハロ-キティ P cp 30
池田模範堂 ポケムヒ{ハロ-キティ} Pcp 30
池田模範堂 デリケアM’s(大容量サイズ) 30
池田模範堂 デリケアM’s(大容量サイズ) 90
ロート製薬 和漢箋 新ロ−ト防風通聖散錠Z 15
小林製薬 ナイシト−ルG 15
大正製薬 リアップX5 15
第一三共ヘルスケア NFカロヤンガッシュ(カロヤンジェット) 30
日本臓器製薬 肩用ラックル顆粒 15
武田薬品 ニコレット アイスミント 15
養命酒製造 養命酒 15
養命酒製造 養命酒 15


 


新聞広告審査対象リスト
広告主 商品名 媒体名
救心製薬 救心 日経新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
富山常備薬グループ キミエホワイト 読売新聞
ビオフェルミン製薬 新ビオフェルミンS細粒 朝日新聞
あかひげ薬局 保健薬総合 読売新聞
大鵬薬品工業 ソルマック胃腸液プラス
ソルマックゴールド
読売新聞
大正製薬 リポビタンD 読売新聞
富山常備薬グループ キミエホワイト 読売新聞
大正製薬 ナロンエース 読売新聞
再春館製薬所 痛散湯 朝日新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 朝日新聞
ジョンソン・エンド・ジョンソン テレスHiクリーム 朝日新聞
ジョンソン・エンド・ジョンソン テレスHiクリーム 読売新聞
大正製薬 リポビタンD 朝日新聞
再春館製薬所 痛散湯 朝日新聞
DHC 新聞限定DHCエルシスホワイト240 朝日新聞
佐藤製薬 バイエルアスピリン 読売新聞
大正製薬 リポビタンD
リポビタンファイン
日経新聞
大鵬薬品工業 ソルマック胃腸液プラス
ソルマックゴールド
読売新聞
あかひげ薬局 オットピンS
ハンビロン
読売新聞
大正製薬 ナロンエース 日経新聞
大正製薬 ナロンエース 朝日新聞
大正製薬 リポビタンDキッズ 読売新聞
大正製薬 リポビタン総合 読売新聞

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