連合会の活動

広告審査会について

~ 第174回 広告審査会 ~

日時 平成15年8月26日(火) 14:00~17:00
場所 大衆薬工業協会会議室
審査委員

(第三者委員)佐谷圭一、渡辺 稔、亀井昭宏
(広告委員会委員)船橋 誠、室 直秀、足立保敬、倉本 力、田口隆久、佐藤武文(代)、太田 昭(代)、井手口盛哉(代)、 神田高志(代)(敬称略・順不同)

幹事 高野 修(大正)、近藤 寛(救心)、前廣敬介(三共)、片岡英夫(全薬)
審査対象 新聞・雑誌広告  1件
テレビ広告    38件  合計39件
広告収集期間 平成15年6月3日~平成15年7月27月

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審査概評 
広告審査会委員 佐谷圭一

第174回広告審査会では、つぎのとおりでした。
審査件数・・・ 新聞・雑誌広告
テレビ広告
1件
38件
計 39件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 6件

話題・・・ 3件
  新聞・雑誌広告

注意・・・ 1件
◇     ◇     ◇      ◇     ◇
※ 2003年夏は史上まれにみる冷夏だったせいか、この期(6~7月)のOTC医薬品CMも何となく活気がなかったように見える。薬局・ドラッグストアなどの店頭では夏になると殺虫剤や虫さされのくすり・水虫薬・ドリンク剤などが山とつまれて、それだけでも夏らしい風景なのだが、今年は長雨にたたられたせいか、どの商品もしょんぼりとしているのだ。

この期のCMで目についたのがシミ・ソバカスを対象にしたものであった。この手の商品群は新登場のものではないが、需要は伸びていることは確かだ。若い女性の白い肌へのあこがれを誘うのか、オゾン層が薄くなったりオゾンホールが話題になったりする昨今の風潮か、TVCMで見るかぎり各社がこぞって力を入れている感を受ける。
ただ、CMのルールでいえば、最初に認可されたS社をのぞけば(実はこれも、つじつまの合わない話だが)シミ・ソバカスの治療的効用は謳えず、緩和効用にかぎることになっているのでご用心である。この類の商品のなかで、「性別は?」と、若い女性の客に聞くシーンが話題になった。セクハラではないかとの声もあったが、制作者の発想は駄酒落的なものであり、そこまでの意図はなかろうということになった。が、しかし、生理痛・子供用などの許可効能を有するものを除けば、女性用、男性用、ある特定の年代層に限定して、それ専用の如き宣伝は、御法度の一つであるのでこれまたご用心である。

低迷するOTC医薬品業界にとって、スイッチOTCは慈雨のごとき存在だが、新たな剤型が追加承認になった場合の「スイッチOTC」「医療用と同じ成分」などの広告表現が前回に続いて問題になった。メーカー側の解釈は「新規スイッチOTC」だが、審査会側としては意見が分かれるところである。スイッチされた主成分が何年たっても新剤型が許可される度にスイッチOTCとやられては、本来の意味でのスイッチOTCの広告目的と異なり、生活者側に混乱が生ずる恐れがあり、また、医師側からもずいぶん目に付くとお小言があるやもしれぬなどの意見もあり、関係当局の意見も聞いた上で「再調整」することとなった。

「日本初3.75%インドメタシン」というハップ剤の広告も気になった。いままでインドメタシン製剤に関して、1%とか2%とかいう表現はあったが膏体重量が違うものをいきなり3.75%とやられるとこれまた生活者は混乱を起こすだろう。審査会内部でも、液剤1%とハップ剤3.75%は経皮吸収率?(液剤は塗布量に関係するとおもうが)は同じようなものなどという意見もあり、結局は結論が出ない論争になった。数字だけが事実として出てくるのは仕方がないが、数字による暗示効果だけでは限りなく発展する恐れがある。どこかで、歯止めをかけないといけない気がする。

当会の審査対象CMではないが、企業のイメージ広告も一緒に拝見している。最近の傾向として単なるイメージ広告ではなく、ある特定の医療用医薬品を明確にイメージしたCMがでてきた。今回目についたのは爪白癬のCMであるが、元来、医療用医薬品の大衆向け宣伝は御法度だったはずである。しかし、薬価基準に収載されなかった○イ○グラやニコチン入りの禁煙用パッチなどは、何とか衆知できないものかと苦労してきた歴史がある。今回の爪白癬薬は薬価基準収載医薬品であり名前こそ出てこないが、医師への受診勧告型広告の形式をとった歴然たる誘導型広告とも見ることができる。各メーカーが今後このような広告形式を取り始めると、医療用医薬品の間接的大衆宣伝の時代が到来するやもしれない。日本でも、これを時代の嚆矢と考えて深く受け止めるべきではないかと考える。これを機に医療用医薬品の広告の規制緩和も考えたらいかがであろうか。

規制緩和といえば一般薬の規制緩和が喧しい。小生は「ドンキホーテの乱」と名付けているが、時代と生活者のニーズがあることも事実である。「YES」と「NO」だけの議論ではなく、時代に合った方策を講ずる必要があろう。テレビ電話での薬剤師の活躍を見て私に薬剤師への賛辞をくれた方があり面映ゆかった、が、あのような事態を率直に歓迎する時代認識を、薬剤師自身も自覚する必要があろう。ともあれ、社会的規制と経済的規制はそう明確に区別して論じられないことは誰でも知っている。当審査会も常にそのハザマで揺れているのが現実である。生活者の利便性を計りながらその安全性を確保することは、OTC医薬品の宿命だが、今また各方面からの見直しを迫られていることも確かである。

 


審査結果 
新聞・雑誌広告
●感覚器官用薬(目薬)
指摘箇所: 〈字 句〉
「これが噂の目薬ナンパだ!」、「だったらコレ使いなよ」、「美人度アップ」「さっと私の机に目薬を置いて・・」、「隣に座ってた男の子のグループが目薬貸してくれて・・」、「く、くぅぅーーーー!!キクーーー!」、あまりの刺激に…、「超清涼刺激目薬」、「眼球表面温度が2℃下がる超クールな目薬」、「Zi最強の刺激的なさし心地と持続する清涼感は全身全霊にキュワーンと染みわたること間違いなし!」
見  解:

〈注 意〉
 化粧品的な表現です。また刺激を表現するとしても効能効果を超えた、いささかオーバーではないでしょうか?目薬を貸し借りするような表現は用法用量的にも衛生面でも不適切です。ご注意ください。

〔基準3(1)、(5)、14〕
テレビ広告
●ビタミン主薬製剤(ビタミンB2主薬製剤)
指摘箇所: 〈音 声〉
「母さんも、そのお母さんも口内炎に○○○」
見  解: 〈注 意〉
禁句とされている「親子3代○○ファン」と同様の表現と解されます。ご注意願います。
〔基準13(6)〕(広告の実際P.83)
●ビタミン主薬製剤(ビタミンEC主薬製剤)
指摘箇所:

〈画 面・音声〉
女のマル必ビタミンはE、C、B2
<音 声>
女にとって必要なビタミンはEやCやB2なのよ

見  解: 〈注 意〉
購入者のほとんどが女性とはいえ、いささか専門薬的な表現です。ご注意願います。
〔基準3(1)〕
●ビタミン主薬製剤(ビタミンB1主薬製剤
指摘箇所:

〈音 声〉
「そしてその多くは変形性関節症なんだよね。」
<画 面> 「変形性関節症」

見  解: 〈注 意〉
承認効能は関節痛・神経痛・筋肉痛の緩和などです。変形性関節症はいささか効能効果を超えた表現です。ご注意願います。
〔基準3(1)〕
●滋養強壮保健薬(生薬主薬保健薬)
指摘箇所:

〈画面・音声〉
夏のカゼで熱が出てカラダが弱っている時

見  解: 〈注 意〉
承認効能は「発熱性消耗性疾患・栄養障害などの時の栄養補給」です。「夏かぜ」とかぜや季節まで言及するのは承認効能を逸脱した表現です。ご注意願います。
〔基準3(1)〕
●外皮用薬(外用鎮痛・消炎薬)
指摘箇所:

〈音 声〉
地球2周分なんと5億枚を突破しました。
<画 面> 「5億枚突破記念企画」

見  解: 〈注 意〉
「○○人口○○人」「ベストセラー」といったような禁句と同様の保証的な表現です。ご注意願います。
〔基準3(6)〕
●外皮用薬(外用鎮痛・消炎薬)
指摘箇所:

〈音 声〉
「~そんな私のつよーい味方」、「プラスター剤でお馴染みの…」

見  解: 〈注 意〉
「強い味方」「お馴染みの」はいずれも保証的な表現として禁句です。ご注意下さい。。
〔基準3(6)〕

〔話題〕第174回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●ビタミン主薬製剤(ビタミンB2主薬製剤)
指摘箇所: <音 声>
「ほっぺの中と外。どっちも皮膚なんだ。」
見  解: (話 題)
口内炎だけでなく肌あれにも効くと表現したいがためなのでしょうが、口の中は粘膜としたほうが誤解はないのでは?と話題になりました。
〔第2広告者の責務〕
●ビタミン主薬製剤(ビタミンC主薬製剤)
指摘箇所: <画 面>
シミ・ソバカスに
見  解: <話 題>
当該製品の効能は「シミ・ソバカスの緩和に」ですので、「緩和」まで正確に記載していただくようお願いします。
〔基準3(1)〕
●ビタミン含有保健剤
指摘箇所: <画 面>
効能効果がスーパーや音声などで明確に表現されていない事
見  解: <話 題>
正確な情報伝達のためにも効能効果は明確に表現してくださるようお願いします。
〔第2広告者の責務〕
●外皮用薬(水虫・たむし用薬)
指摘箇所: <音 声>
じゅくじゅく水虫に液体。「そりゃあ不自然だ。」
見  解: <話 題>
じゅくじゅくした水虫に液体は効かないかの表現はいささか他社誹謗的ではないでしょうか?
〔基準9〕
【調 査】
●外皮用薬(外用鎮痛・消炎薬)
インドメタシン3.75%との表現は1%や2%の製品よりも優れているかの誤解を招くのではないでしょうか?貼付剤1枚あたりの膏体の重量が各製品毎に異なるので、インドメタシンそのものの含量も違い、比率が高いからといって必ずしも効きめが高いわけではないのでは?3.75%が効きめが良いという根拠をお示し下さい。

雑誌広告収録明細
平成15年8月
広告主
商品名  媒体名
ロート製薬
ロートZi 週刊プレーボーイ

TV広告収録明細

対象期間:2003年6月3日~2003年7月27日(新素材CMのみ)

広告主
商品名
秒数
 エーザイ  チョコラBBプラス
15
 小林製薬  ケシミンLC錠
15
 三共  ビトン ハイ ECB2
15
 三共  ビトン ハイ ECB2
90
 武田薬品  アクテージAN錠
90
 武田薬品  ハイシーホワイト2
15
 第一製薬  システィナC
15
 三共  MJリゲイン
15
 全薬工業  新リコリスゼンヤク
15
 大正製薬  リポビタンD
30
 大正製薬  リポビタンD
30
 大正製薬  リポビタンDラグビー日本代表応援cpP~9/1
75
 大鵬薬品工業  チオビタドリンク(ヘルシー)
15
 田辺製薬  アスパラドリンク
15
 中外製薬  グロンサンG
30
 太田胃散  太田胃散{分包・缶入り}
30
 大鵬薬品工業  ソルマック胃腸液{-・S}
15
 アラクス  ノーシンピュア
30
 大正製薬  ナロンエース
30
 武田薬品  マイティアCL{クール・クールHi}cp P
15
 ロート製薬  Ziファイ New(ジーフリー)
15
 エスエス製薬  インサイドテープ
15
 興和新薬  バンテリンコーワ1.0%ゲル
15
 小林製薬  タムチンキパウダースプレー
15
 武田薬品  スコルバダッシュ{液・クリーム・-}
90
 武田薬品  スコルバダッシュ{液・クリーム・-}
30
 トクホン  {トクホンエース・トクホンエースホット}
30
 久光製薬  のびのびサロンシップ{-・α・温感}cp P
60
 祐徳薬品工業  パスタイムFX
90
 救心製薬  救心(カプセル・内服液)
15
 武田薬品  ニコレット
30
 養命酒製造  養命酒
30
 養命酒製造  養命酒
30
 養命酒製造  養命酒
30
 養命酒製造  養命酒
30
 養命酒製造  養命酒
30
 ノバルティスファーマ  ノバルティスファーマ
30
 ノバルティスファーマ  ノバルティスファーマ
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