連合会の活動

広告審査会について

~ 第223回 広告審査会 ~

日時 平成23年10月31日(月) 14:00~17:00
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、瀧澤晶子、古澤康秀、堀 美智子
(広告委員会委員) 室 直秀、西本正剛、諸田 隆、楠 亨、宮瀬昌行(代)
幹事 青島修治(ライオン)、近藤 寛、脇本貴司(武田)、梅岡 久(大正)、上村 浩(ロート)
審査対象 テレビ広告     52件
新聞・雑誌広告   34件  合計86件
広告収集期間 テレビ広告     平成23年7月24日~平成23年10月7日
新聞広告 新聞広告 平成23年7月26日~平成23年10月4日

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審査概評  第三者委員  古澤 康秀
第223回広告審査会では、次のとおりでした。
審査件数… テレビ広告
新聞雑誌広告
52件
34件
計 86件
審査結果… テレビ広告

注意・・・ 3件

話題・・・ 3件
新聞広告
注意・・・ 3件
話題・・・ 2件
 

 極端な円高、欧州の財政危機、電力供給に対する不安など、日本経済を覆っている雲は、なかなか晴れることがありません。医薬品業界は景気の影響を受けにくい産業と言われますが、それも他産業と比べた場合の相対的なものであって、景気が良いに越したことはないでしょう。
 大学も、受験者数や就職活動の動向を通じて景気に無縁ではありません。ただ、薬科大学に関して言えば、現時点における最大の関心事は、来春社会に送り出すことになる6年制薬学第一期生の薬剤師国家試験合格率と彼らに対する社会の評価ではないでしょうか。私も含めた薬科大学の教員は、受験生を抱える父母にも似て、期待と不安を胸に来春を迎えることになるでしょう。

 さて、医薬品広告についてですが、審査会で検討されるテレビや新聞・雑誌広告の事例に関する限り、【注意】として指摘を受ける広告の中でも、「これはひどい!」と眉をひそめる事例は減少傾向にあり、「少しやりすぎかな?」と感じられる程度の事例が割合を増しているように感じています。これは、関係者の方々が規制の趣旨を理解してご努力いただいた結果と評価しています。
 その一方で、インターネット広告、ラジオ広告、電車の車内広告など、通常の審査会で取り上げることの少ない媒体を利用した広告では、最近でも時々、「えっ?」と驚くようなものを見かけることがあります。中でもインターネットを利用した広告は、広告全体に占めるウエートが今後ますます高まり、生活者に対する影響力も大きくなると予想されることから、業界として何らかの対応が必要でしょう。もちろん、インターネット広告といえども、医薬品等適正広告基準の適用において、他の媒体と異なるものではありません。
 そのような業界における広告適正化の努力を前提として、適正広告基準の運用を少し緩和しても良いのではと考えることもあります。以前、OTC医薬品等広告研修会などの場で、「薬局等の店頭における生活者による薬剤師への相談を促すためなら、白衣を着た薬剤師役のタレントをテレビCMに登場させるのは大いに結構なことである。」と申し上げたことがあります。適正広告基準には医薬関係者等が推薦しているが如き広告表現を禁じる規定があるため、当時は白衣姿のタレントをCMに登場させることを躊躇する企業もあったようですが、その後、第一類医薬品を中心にこのような広告が増えてきたことをうれしく思っています。
 その延長線上にあるものとして、たとえば、医薬品として薬事法の厳しい承認基準をクリアしたものであることなどについて、もっと堂々と広告で表現することが認められても良いのではないでしょうか。特定保健用食品で「厚生労働省認可」などと広告することが容認されているのと比べ、これまでの適正広告基準の運用に関しては、近年の社会環境の変化によってややバランスを欠く状況が生まれつつあるようにも感じています。
 医薬品には多かれ少なかれ副作用があり、適正な使用を生活者に促すことが重要なことは言うまでもありません。ただ、薬害報道などいろいろな場面で医薬品のマイナス面ばかりが強調されたあまり、医薬品が厳格な科学的評価に基づいて世に出るものであることなどのプラス面が、国民に正しく、かつ十分に伝わっていないのではないでしょうか。その結果として、セルフメディケーションに医薬品を正しく利用することなく、「医薬品より安心」、「何となく身体によさそう」という漠然とした感覚で、健康食品やサプリメントに依存している生活者が存在するとすれば、とても残念なことです。

 以上ここで述べたことは、あくまで私の個人的な見解であり、将来のルール変更の際に考慮してほしい事項として希望を述べたに過ぎません。したがって、今後の広告審査においても現行のルールが適用されることに変わりはありませんので、その点、誤解のないようにしていただきたいと思います。
 現行のルールは、厚生労働省などの公務所を含む医薬関係者等が個別の医薬品を推奨しているがごとき広告表現について、その医薬品の効能・効果や安全性の保証につながるおそれがあるという理由で禁止しているものであり、その基本方針はそれなりに妥当なものです。さらに、国民への医薬品に関する正しい知識の普及は、学校教育や行政機関、薬剤師会、業界団体等の行う啓発活動が主体となるべきものであることは言うまでもありません。

以上

◇     ◇     ◇      ◇     ◇
 
審査結果 
テレビ広告
かゆみ・虫刺され用薬
指摘箇所:

<音 声>
「むだ毛処理後の肌トラブル」を治療する医薬品。

見  解:

<注 意>
専門薬的であり、他の薬と異なるもの(成分、効能)であるかのように誤認をあたえます。「むだ毛処理後などの皮膚の炎症」として頂き、併せて効能・効果を2つ以上明記して下さい。

〔基準3(1)〕
指摘箇所:

<音 声>
むだ毛処理後の肌トラブルに悩む女性は3人に2人。

見  解:

<注 意>
データを使用する場合、根拠のある出典を明確にデータのそばに併記してください。

〔第2広告者の責務〕
かゆみ・虫刺され用薬
指摘箇所:

<音声・画面>
小児が医薬品を持っているシーン 

見  解:

<注 意>
医薬品の広告に小学生以下の子供を使用する場合、医薬品を持たせた広告は行わないでください。医薬品を持たせると思わぬ事故を促すことになりますので、ご注意ください。

〔基準4〕
目薬
指摘箇所:

<音声・画面>
今日も□□□(タレントのグループ名)は絶好調、その訳は。
「あせったよ、今。足やっちゃったよ。」「腰やっちゃったよ。」
「あっ、この○○○(製品名)。よく効くんだよね。」

見  解:

<注 意>
体験談的広告であり、かつ使用前・使用後の表現となっています。ご注意ください。

〔基準3(6)〕
新聞・雑誌広告
かゆみ・虫刺され用薬
指摘箇所:

<紙 面>
小児が医薬品を持っているシーン

見  解:

<注 意>
医薬品の広告に小学生以下の子供を使用する場合、医薬品を持たせた広告は行わないでください。医薬品を持たせると思わぬ事故を促すことになりますので、ご注意ください。

〔基準4〕
ビタミン含有保健薬
指摘箇所: <文 字>
この体調をどうにかしたい。疲れを回復させたい。
大切な試合にエースを投入するように。落とせない試合で抑えの切り札を投入するように。○○○(製品名)は、あなたの期待を受け止める。
見  解: <注 意>
全体的に効能・効果及び安全性の保証表現となっております。また、滋養強壮保健薬、ビタミン含有保健剤等を広告する場合、明らかな「疲労回復」を表現することは、効能・効果の範囲を逸脱するので認められません。ご注意ください。
〔基準3(1)〕〔基準3(6)〕〔適正広告ガイドライン26〕
ビタミン主薬製剤
指摘箇所: <文 字>
10人中9人の方が定期購入をお選びいただいています。
見  解: <注 意>
ほとんどの方が定期購入している旨の広告をすることは、効能・効果及び安全性の保証表現になります。
〔基準3(6)〕
指摘箇所: <文 字>
吸収を促進し、速やかな効き目をサポートする加工大蒜(ニンニク抽出エキス)
見  解: <注 意>
本製品は速効表現ができない薬効分類の製品です。ご注意ください。
〔基準3(8)〕
指摘箇所: <文 字>
製剤の吸収を高める 〈添加物〉塩酸グルコサミン
見  解: <注 意>
製剤全体で吸収を高める説明は可能ですが、1つの添加物を特化して吸収を高める説明をすると有効成分と誤認を与えます。個別の添加物を表現する場合、使用性・使用感など有効性に踏み込まないようにしてください。
〔基準3(4)〕
 

第223回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
かゆみ・虫刺され用薬
指摘箇所: <音声・画面>
懸賞シーン
見  解: <話 題>
オープン懸賞を行っている旨を広告することは問題ありませんが、オープン懸賞である旨が読み取れないのでは?と話題になりました。
〔基準11〕
ビタミンを含有する保健薬
指摘箇所: <音声・画面>
栄養、バランスよく摂れてるかしら~
そんな時○○○(製品名)
ビタミン、ミネラルをバランスよく配合
見  解: <話 題>
医薬品や指定医薬部外品の広告を行う場合、サプリメントと明確に区別できるように効能を記載するなどもう少し親切に表現した方がよいのでは、と話題になりました。また、表現が効能効果と乖離があるのではと話題になりました。
〔第2広告者の責務〕
洗眼薬
指摘箇所: <音 声>
溜まった汚れをしっかり洗い流して、ピタッ。
見  解: <話 題>
洗眼薬の効能・効果は「目の洗浄、眼病予防」です。汚れや目やにを洗い流したあとにすぐにコンタクトレンズがピタッと装着できるようにみえるので、効能と装着までの過程をもう少し分かりやすく表現してください。
〔第2広告者の責務〕
新聞・雑誌広告
外用鎮痛・消炎薬
指摘箇所: <紙 面>
複数品目の販売名の記載がないこと
見  解: <話 題>
製品を複数並べて広告する場合、それぞれの販売名を記載してください。
〔第2広告者の責務〕
止しゃ薬
指摘箇所: <文 字>
○○○(製品名)が100年愛されてきた理由
見  解: <話 題>
「100年愛されてきた○○」のように単に事実を述べるのであれば表現可能ですが、「100年愛されてきた理由。それは~」となると些かオーバーで安全性、優秀性の保証となる表現になるのでは?と話題になりました。
〔基準3(6)〕
 



OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2011年7月24日~2011年10月7日

広告主 商品名 秒数
エスエス製薬 ハイチオールB 15
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 15
塩野義製薬 ポポンS 15
エスエス製薬 エスカップ P 30
大正製薬 リポビタンD ラグビ-日本代表を応援 30
大正製薬 リポビタンD(リポビタンDスーパー) 30
大鵬薬品工業 チオビタドリンク(ゴールド) 15
第一三共ヘルスケア プレコ-ル持続性カプセル(プレコ-ル持続 15
第一三共ヘルスケア ルルアタックEX 15
第一三共ヘルスケア 新ルルAゴールドDX 60th 15
興和新薬 コルゲンコーワIB錠TX 15
小林製薬 チクナイン(錠剤) 15
佐藤製薬 ストナジェルサイナスS(アイビージェル・プラスジェル 15
佐藤製薬 ストナプラスジェル2(アイビージェル・ジェルサイナス 15
全薬工業 新ジキニン顆粒 15
大正製薬 パブロンSゴールド{微粒} 15
大正製薬 パブロンSゴールド{微粒} 30
大正製薬 ヴイックスメディケイテッドドロップ 15
武田薬品 ベンザブロック{S・L・IP} 30
クラシエ薬品 カンポウ専科 葛根湯(小青竜湯) 15
ライオン バファリンかぜEX錠(バファリンかぜEX細粒) 30
太田胃散 太田漢方胃腸薬Ⅱ 錠剤 15
第一三共ヘルスケア ロキソニンS 15
エスエス製薬 イブA錠 15
佐藤製薬 リングルアイビー(リングルアイビ-200) 15
ロート製薬 新緑水 15
ロート製薬 ロートジー{b・プロb・コンタクトa} 15
エスエス製薬 スルーラックS 15
池田模範堂 デリケアM’s 30
池田模範堂 ムヒ ケアレケア 60
興和新薬 ウナコーワ{クール・プチ}コンテスト P cp 30
興和新薬 ウナコーワ{クール・プチ}コンテスト P 90
興和新薬 ケラチナミン{Wクリーム・乳状液20} 15
小林製薬 ビフナイトE 15
興和新薬 バンテリンコーワクリーミィーゲルLT 15
久光製薬 サロンパス{A・30・ハイ} 60
久光製薬 サロンパスシリーズ フェイタス3.5α 15
久光製薬 サロンパスシリーズ フェイタス3.5α{L} 60
久光製薬 のびのびサロンシップS 15
ノバルティスファ-マ ボルタレンAC{テープ・ゲル} 15
ノバルティスファ-マ ボルタレンAC{テープ・ゲル} 30
ハピコム ホームパスFRテープ 30
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 30
小林製薬 ユリナ-ル 顆粒 15
小林製薬 命の母 15
小林製薬 アイボンWビタミン(アイボンc) 15
クラシエ薬品 カンポウ専科 八味地黄丸{ベルアベトン} 15
ライオン デントヘルスB 60
ライオン デントヘルスB 60
ライオン デントヘルスB 60
クラシエ薬品 新コッコアポA錠・コッコアポL錠 30



新聞広告収録明細
期間:2011年7月26日~2011年10月4日
広告主 商品名 媒体名
興和 バンテリンコーワ総合 朝日新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
大幸薬品 セイロガン糖衣A 日経新聞
サニーヘルス ビルタミンBプラス 読売新聞
ロート製薬 ロート新緑水 朝日新聞
救心製薬 救心
救心カプセル
救心内服液
朝日新聞
武田薬品工業 アクテージAN錠 朝日新聞
第一三共ヘルスケア マキロンかゆみどめ液P 朝日新聞
救心製薬 救心 読売新聞
ビオフェルミン製薬 新ビオフェルミンS錠 朝日新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
ワダカルシウム製薬 ワダカルシュームエース(錠剤)
ワダカルシューム錠
朝日新聞
武田薬品工業 タケダ漢方便秘薬 朝日新聞
武田薬品工業 アクテージSN錠 朝日新聞
エスエス製薬 イブクイック頭痛薬 読売新聞
エスエス製薬 イブクイック頭痛薬 朝日新聞
大幸薬品 正露丸 朝日新聞
武田薬品工業 アリナミンR 読売新聞
ワダカルシウム製薬 ワダカルシュームエース(錠剤)
ワダカルシューム錠
朝日新聞
救心製薬 救心
救心カプセル
読売新聞
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 読売新聞
武田薬品工業 アリナミンA
アリナミンEX
朝日新聞
東京甲子社 コロスキン 朝日新聞
サニーヘルス ビルタミンBプラス 読売新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 朝日新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 朝日新聞
武田薬品工業 アクテージAN錠 読売新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 朝日新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 読売新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 読売新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 朝日新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 朝日新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 読売新聞
新日本製薬 トピックAZトローチ 朝日新聞

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